本書では、軽量化という技術観点から見た電気自動車EVの発明現状と、今後の展開余地を探ることを編集のねらいとしました。EVの軽量化は、ゼロエミッションや走行距離と表裏一体の技術観点です。それだけに、空間と移動が生み出す次世代のシームレスモバイルとしても、社会変革と技術革新をもたらす可能性に満ちた次世代注目テーマです。
本書ではEV軽量化を特徴とする最新の特許情報(2015~2016年出願)を調べました。そこにはEV軽量化の最近の発明観点が俯瞰できます。
電池電源とコンバータ、インバータの電力系、ワイヤハーネスとジャンクションボックスの配電系、モータと減速機の動力系、EVの各所に欠かせない発熱対策、複合素材や車両構造など、今のEV軽量化技術の具体例を見ることができます。同時に、多くの今の技術の中に、今だから見つかる次世代EVデザインの要素も探し出すことができそうです。現在のEV軽量化への取り組みだけでなく、今を踏み台にして次世代を攻めるうえで「軽量化」という技術観点は、新たなEVならではの研究開発ビジョンを探るうえで役立つ技術観点だと言えそうです。この先を考えるガイドブックとして本書をご利用ください。
<編集後記>
EVを軽量化から攻めると新たなビジネスチャンスがあると感じました。EVはコネクテッドで情報と、多変量分散でAIと馴染みのよいメディアだと言えそうです。この世界には異色な「重さ」が加わるので、ちょうどスマホと共通しながら、重さという要素によって、ひとが持ち運ぶか、ひとが運ばれるか、主客の逆転が起こります。技術的思想を逆転してみると新たなEV像が見えてくるかもしれません。
電気自動車EVと軽量化技術
¥88,000価格
パテントガイドブック