ヒートパイプはおよそ60年前にアメリカ航空宇宙局NASAが人工衛星における表面温度差を緩和させるために使用し、その後民生用機器の放熱にも幅広く使用されるようになった熱デバイスです。内部に封入した作動液が高温で蒸発し、低温で凝縮するというサイクルにより高温部から低温部へ潜熱として熱を輸送する機能を持っています。ヒートパイプのデバイスとしての魅力は動力を必要とせず、長期間に亘り安定して動作し続ける点にあり、現在P Cや情報通信機器ではなくてはならないデバイスの一つになりました。一方、ベーパチャンバの基本的な動作原理はヒートパイプと同様ですが、蒸発部と凝縮部の面積を任意に広く取ることが可能であり、ヒートパイプと比較すると高い形状自由度があります。この数年、薄型化とコストダウンが進んだ結果、スマートフォン等の携帯端末に幅広く採用されるようになりました。現在でも新規参入メーカーが多く、特許出願が盛んな技術分野の一つです。
本ダイナミックマップは、主に携帯端末などの電子機器に用いられるベーパチャンバおよびヒートパイプに関する技術を対象としました。ベーパチャンバやヒートパイプを構成する材料技術、ベーパチャンバの薄型化、薄型化に伴う機械的強度を改善するための本体の高剛性化、冷却対象の高発熱化に伴う熱輸送力の改善などの、ベーパチャンバ構造やヒートパイプ構造、ヒートパイプの発展技術として注目されるループヒートパイプや自励振動ヒートパイプ、ヒートパイプやベーパチャンバを機器内部でどのように使われているかに関する応用技術、これからの参考技術の7つの技術分類に分け、全体像を俯瞰できるようになっています。また、明らかなノイズ情報となる単なる拡張記載は、ノイズ情報として除去しています。
■技術と企業の全体像を俯瞰できるダイナミックマップ
本ダイナミックマップは、タイトルテーマ技術に関する特許情報の調査結果を、技術分類ごとに分けた技術側と出願上位10社までの企業側の2軸から閲覧することができる電子版特許調査報告書です。『技術側』では出願件数推移グラフや技術の企業シェア等を掲載し、『企業側』では出願内容を技術分類ごとに分けたレーダーチャートや発明者リスト、共同出願人リスト等を掲載しています。
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電子機器向けベーパチャンバおよびヒートパイプPart2
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