ソフトセンサとは、仮想計測技術で用いられるセンサで、実際には測定できない値を、計算により推測することで、直接その値を測定しているかのように振る舞うセンサです。通常の計測機器の ようにハードウェアとしての実態があるセンサとの対比で用いられる用語であり,ソフトウェアによって実現されるセンサです。例えば、産業プラントなどにおいて,オンラインで測定できない品質などの重要変数をオンラインで測定可能な変数から推定します。換言すれば、リアルタイムに実測が困難なプロセス変数の値をリアルタイムに測定できる変数から推定する技術です。メリットとしては、例えばプロセスを加速し生産性を高めることができます。また、危険個所で人間が立ち入ることができない場所での計測が可能になることが挙げられます。技術的課題としては、データ収集、異常値除去・変数選択などのデータの前処理、そのデータを用いたソフトセンサーモデルの構築、解析、に対する確実で体系的な対処法、が確立されていないということがあげられます。
本書では、最新の特許から、各種分野での応用事例、ソフトセンサの構成、アルゴリズム、データの収集・処理等について調査しました。
ソフトセンサは、仮想センサ、疑似センサなどとも呼ばれます。応用事例により用語が異なるケースがありますが、センサにより測定可能な変数から測定できない変数を推測する技術を対象としました。ソフトセンサ自体の発明から応用分野に関する技術まで多岐に渡り、応用分野(産業プラント、製造ライン、医療・薬学)、アルゴリズム、データ処理(データ収集、前処理、異常値除去、モデル構築)、性能向上(処理スピード、コスト、安全性、精度)等を含みます。
以下のケースは対象外(ノイズ)とします。
- センシングが主題ではない。例えば産業プラントで運転制御を行うが、センサは多くの構成要素の一つに過ぎずセンシングが主題ではないケース。
- センシングが主題であっても、ソフトセンサがアナログセンサ、デジタルセンサなどを含む複数の実現手段の一つに過ぎず、ソフトセンサ自体の詳細記述が見当たらないケース。
センシングデータの処理結果を利用して何らかの制御や判断を行うが、測定できない変数を推測しているとは言えないケース。
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