「変革点」こそ、ビジネスで攻めるチャンス
自動走行自動車、シミュレーション技術、仮想現実ARなど、情報通信技術の革新は、まさに「変革点」にあたり、急速にビジネス環境を激変させています。その根底になるのが人工知能AI技術です。AIは情報通信ネットワークを通じてさまざまな産業のシナジーを創出し、ハードウェアの世界にはない超速な進歩を見せ、新たなビジネス革新を全世界にもたらします。最先端の情報テクノロジーを駆使して既存産業を脅かす情報系企業の猛進が始まっています。
人工知能の活用可能性ある分野の中で、特に期待されているのが医療分野です。人工知能の画像認識精度が飛躍的に向上したことによって、画像データを用いた医療診断支援の開発が活発に進んでいます。IBMの人工知能Watsonは、医療保険における保険約款と事故内容を照合した査定審査や、テキストベースの膨大な医療文献から可能性の高い症状をランク表示するなど、医療分野への進出を進めています。
そこで、ネオテクノロジーは“人工知能が医療との関わりでどのように活用されているのか”に着目したマルチクライアント特許調査を企画いたします。先進的なAI活用事例は、最新の特許情報を見ると一目瞭然です。特に、AI先進国であり全世界の優秀発明が集まる米国特許情報から、先進的企業がAIをどんなビジネスに生かそうとしているのかを見ることができます。最近の米国公開特許情報から、人工知能と医療について、最先端の技術と企業の取組みを明らかにすることを目的といたします。
本書は医療に関わる人工知能を利用した応用技術を対象といたしました。調査対象技術の設定においては、人工知能を活用することによって医療のあり方がどのように変化していくのかをイメージし、(1)医療機関におけるAI活用、(2)AI活用によって、ヘルスケアと医療が近づく、という二つの視点で設定しました。基本的には、医療技術を主としましたが、将来的には人工知能等の情報技術の活用によって医療とヘルスケアが近づくと思われることから、ヘルスケアを副として調査対象に含めました。医療を取り巻く人工知能を利用した最新の応用展開を探る目的から、最近2年間(2014年7月1日~2016年6月30日)に発行された米国公開特許情報2,532件を調査しました。
人工知能と医療
特許調査レポート