炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)などのワイドバンドギャップ(WBG)パワー半導体デバイスは、現在広く使われているシリコン(Si)パワー半導体デバイスに比べて、高耐圧、高速スイッチング・高温動作が可能です。パワー半導体デバイスの低損失化による冷却部品の小型化や高周波化による受動部品の小型化が可能になるため、モータ用インバータの小型化・軽量化が実現できます。一方、低いゲート耐電圧に対する駆動回路や高速スイッチング動作によって発生するノイズの低減などの課題を解決する必要があります。
モータ用インバータにSiC/GaNパワー半導体デバイスを利用する技術に関して、生きている特許と最近の公開について取り上げました。どのような出願人・用途・クレームかに注目しました。
■調査対象技術
SiC/GaN半導体を電力変換回路として利用する発明に特徴がある特許情報だけを回路技術者の専門的知見に基づいて取り上げました。
対象とする技術
●特徴を活かした技術
・最大電圧が高い
・最大動作温度が高い
・ボディダイオードが高速(リカバリ電流が少ない)
・オン抵抗・逆回復時間の温度特性が一定
・ユニポーラ素子(IGBTより高速スイッチング動作可能、低電流領域でオン電圧が低い)
・熱伝導度が高い
●課題を解決する技術
・ゲート耐電圧が低い
・ノーマリオン
・電圧の時間変化(dV/dt)が大きい
- 用途に関する技術
・トランジスタ(MOSFET)とダイオード(SBD)との組合せ
・小型化、低騒音
ノイズとする技術
パワー半導体モジュールの構造および実装に関する技術
スイッチング素子はワイドバンドギャップ半導体でもよい、などの拡張記載
明らかなノイズ情報は対象外としています。
単なる拡張記載の特許情報はノイズ情報です。
■生きている特許情報を調査
このダイナミックマップでは、権利が生きている登録特許と、特許庁係属中の国内公開特許を対象としています(2022年2月15日時点)。なお実用新案は除きました。
620件を調査、100件を抽出し、7つの技術分類に整理しました。
ダイナミックマップについてはこちらをご参照ください。
■WEB試読サービス
詳細についてお知りになりたい方は、WEB試読サービスをご利用ください。
モータ用インバータのSiC/GaN電力変換
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