テラヘルツ波は、赤外線とマイクロ波の中間の未開拓の周波数の電磁波です。材料分析や次世代通信応用の研究開発を通して、テラヘルツ波の発生と検出が手近なものになりつつあります。これまで検出できなかった疾患原因物質の検出や画像診断が期待できます。また、テラヘルツ波が細胞の分裂を抑制する、あるいはDNA損傷を修復するといった治療に繋がる効果も示されています。さらに、テラヘルツ波の生体に与える好影響がヘルスケアに応用されています。まだ黎明期ですが、生体とのインタラクションの検討も進んでいます。
本書では、医療にどのようなテラヘルツ波の技術や応用が注目されているかを俯瞰しました。
テラヘルツ波を用いることで医療の新しい地平を拓くことができるかなど、この未開の領域の技術開発を構想する上で役立つと考えています。
■調査対象技術
発明の特徴がテラヘルツ波を医療に応用した特許情報を調査の対象としました。テラヘルツ波を厳密には定義していませんが、概ね0.1THz~10THzの範囲です。また、テラヘルツ波ならではの技術だけでなく、光からマイクロ波をカバーする広い周波数範囲の電磁波の中にテラヘルツ波も含まれている技術も調査対象としています。さらに、治療や診断といった医療に直接関係する技術だけでなく、ヘルスケア応用やバイオセンサ応用も含んでいます。ただし、生体と直接関係しない材料分析や工業応用、通信応用は対象としていません。
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テラヘルツ波の医療応用
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