研究開発においては、社会の変化や将来のあるべき姿を想像しながら、今までにない新しい製品やサービスの源となる創造活動が求められます。想定外のことが次々と起こる現代において、将来を予測することはたいへん困難です。誰も答えを持っているわけではない、未知の領域に挑戦するには勇気が必要です。
〝未来に挑戦する研究開発技術者を応援したい” そんな思いから、ネオテクノロジーは、特許情報から創造の着想喚起に役立つ価値情報の提供を目的とした『NEOレポート』をシリーズ発刊します。研究開発のための新しい特許情報活用の提案です。
このブログでは『NEOレポート』をご紹介します!
特許を“情報”として活用する
特許は、日本国内で年間約30万件、全世界で年間約350万件が出願されます。その7~8割は既存ビジネスを守るための現実的な発明と言われています。一方で、特許は出願から20年の権利期間があり長期的な視野に基づく発明もあります。ある技術テーマで特許情報を集めて時系列に並べてみると、技術的課題の変遷や、関連する周辺技術、応用用途の広がり、関連企業や大学など様々なことが分かります。特許情報は知恵の宝庫です。
NEOレポートは特許を“情報”として活用します。特許情報を活用するメリットは、全世界を横断して特許情報を集めることができる点です。世界中の叡智を、フォーマットが統一された形式で取得することができます。特許情報が公開されるまで1年半のタイムラグがありますが、5~10年先の社会を想定する上では、それほど大きなハンデにはなりません。
創造の着想喚起となるインプット
どんな領域でも、アウトプット(成果)を出すためには、インプット(訓練)が必要です。スポーツ選手は、日頃から体を動かして体幹や運動神経を鍛えます。クリエイター志望の私の友人は、毎日お題を決めて大喜利をしてアイディア出しの訓練をしていました。研究開発技術者も、創造活動のために、日頃から思考を柔らかくして着想力を鍛えておくことが大事です。
それでは、創造活動のためのインプットとは何でしょうか?
創造活動は発明を生むことです。発明を生むことは、新しい可能性、新しいつながり、新しい関係を見出すことによって、今までにない着眼点やひらめきを得ることです。つまり、技術者の知的好奇心を刺激し、着想を喚起するような情報や出来事が、創造活動のインプットになります。例えば、新聞や雑誌のニュース、学会や展示会、自社では得られない情報、外部との接触などです。
NEOレポートは、特許情報から、創造活動のためのインプット情報を抽出します。特許情報に表れる技術課題の共通性や、技術固有の機能や働きを抽出し、創造活動の主人公である技術者の着想喚起につながるインプット情報を投げかけます。
特許を“創造活動のインプット情報”として活用するためには
しかし、特許文書は権利取得を目的とした権利文書ですから、そのままでは読みづらく使いにくいものです。特許を”創造活動のインプット情報”として活用するためには、下ごしらえが必要です。NEOレポートでは2つの工夫をしています。
ポイント① 注目発明の役立ちポイントが30秒で読み取れる!
ポイント② 研究者のインサイトにつながる注目ポイント!
ポイント①
▶注目発明の役立ちポイントが30秒で読み取れる!
特許情報をそのまま読むのは非常に読みづらく、要点を抜き出すのは時間も手間もかかります。そこで、NEOレポートでは、技術テーマに関連する面白い発明や応用例など注目発明50件を選び、発明の要点が一目でわかる抄録にまとめました。発明を一言で表すキャッチコピー、役立ちポイント、発明相応図、参照すべきクレームや記載箇所を、簡潔かつ明瞭に集約しているのがNEOレポート最大の特徴です。
《抄録サンプル》
※画像はイメージです。内容及びレイアウト等は変更になる場合もございます。
ポイント②
▶研究者のインサイトにつながる注目ポイント!
注目発明に表れる技術課題の共通性や、技術固有の機能や働きに着目して、注目ポイントを3~5つ選びます。章立てに分けた各セクションには代表図やイラストも用いています。
《注目ポイントのサンプル》
※画像はイメージです。内容及びレイアウト等は変更になる場合もございます。
チーム思考のススメ
NEOレポートはチームワークで活用することをおススメします。チームの編成は、専門の異なるメンバー、問題発見・解決能力の異なるメンバーを組み合わせると良いです。例えば、材料系、電気系、システム系、営業マーケティングのメンバーの組合せ、深く掘り下げて考えるタイプの人、コンセプトづくりが得意な人、全体のとりまとめがうまい人等です。同じ情報に接しても、異なる専門分野知識や能力を持つメンバーでは、気づく内容に違いが生まれます。この気づきの多様性が新たなインサイトの促進につながる可能性があります。
ネオテクノロジーでは、特許情報を活用した創造活動支援「ACTAS」サービスを行っています。ご興味のある方は、ぜひお問合せ下さい。
【NEOレポート先行タイトル案内】
期待の新シリーズ第1弾として、注目されている「MOF」と「THzメタマテリアル」の2タイトルを取り上げました。
◆MOF(Metal Organic Frameworks)
MOFは、金属と有機配位子からなる結晶性の多孔質材料です。目的の用途や機能に応じて、金属や配位子の種類、孔径や表面の性質を分子レベルで設計でき、様々な産業でも応用可能性が注目されています。
◆THzメタマテリアル
光と電波の融合領域であるテラヘルツ帯において、電磁波の波長よりも短いサイズで、媒質や構造を人工的に特徴づけることによって、電磁波の特異な伝搬を生じされるメタマテリアルが注目されています。THz領域における様々なメタマテリアルの応用例を全体的に俯瞰し、これからの可能性に導きます。
詳しくは下記オンラインショップへ↓
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